講師コラム

奇跡の時間

2018.08.07堀内コラム「堀内道場」

「残り5分」を告げてからしばらくすると、はっと何かに気付いた顔をする子がいます。私も学生時代に経験があります。試験終了まで残り3分の時点で解法をいきなり思い出したり、ひらめいたりして、その度にその残り3分に救われました。「残り3分の奇跡」は言い過ぎかもしれませんが、先ほどまで苦戦していた問題が終了間際に突然解けたりします。人によってその奇跡の時間は異なりますが、多くの人がテスト終了間際に体験したことがあるのではないでしょうか。その反面、その時間を何もせずに過ごしている子もいます。そんな子ほど試験監督とよく目が合います。気まずそうに問題文に目を向けますが、気持ちはすでに試験終了。もったいない時間の過ごし方です。

突然ひらめくときがあります。散歩中や入浴中、ときにはトイレ中、寝る直前も多い気がします。リラックスをしているときが多いです。何かを集中してやり続けているときにもひらめくときがあります。ひらめく寸前に脳の視覚野が一時的に閉ざされることが分かっています。脳がひらめきの寸前に内なる自分に向かうときなのだそうです。脳のまばたきと言います。

「残り5分」と言われ、もうだめだと思うのか、まだ5分あるからいけると思うのかも大切です。それなら一度目を閉じ、視覚をシャットダウンし、脳にすき間をつくった後に手を動かし続ければ奇跡の3分をつくることが可能かもしれません。しかし、一番大切なことはよく寝ることだそうです。脳にリラックスできる十分なすき間をつくります。やはり何事にも睡眠は重要です。