慣れる
2012.03.17杉浦コラム「fifty-fifty」
「もう、支援はいりません」
3月11日、震災の追悼番組における現地の人々へのインタビューで、こう言った人がいました。その理由が印象的で、「ダメ人間が増えるから」。その人いわく、もらうことが当たり前で、それに慣れてしまい、自分では何もしない、できない人が多くなっているとのことでした。もちろん、現地の人すべてがそんなはずはありません。しかし私は、テレビを見ながら、「慣れ」というのは本当に恐ろしいものだなと感じずにはいられませんでした。
「慣れる」ことは、ものごとをスムーズに進めていくうえで大変重要なことです。新入生のみなさんには、少しでも早くNextAgeに慣れてもらい、授業だけでなく、家庭学習を含めた1週間の生活リズムを身につけてほしいと思います。しかし一方、「慣れきってしまう」と、人はそれまで持っていたはずの「丁寧さ」や「謙虚さ」を失ってしまいがちです。
教室に来たとき、帰るときの挨拶はきちんとできていますか。いつもお弁当を用意してくれるお家の方に「ありがとう」と言っていますか。週例テストや全中模試の復習はきちんとできていますか。先月号のコラムで堀内先生も書かれていたように、「自分はできない」ことに慣れてしまうのが、もっとも恐ろしいことだと思います。
もうすぐ4月、学校でもみなさんは新学年となり、心の面でも切り替えがしやすい時期です。「慣れ」を悪い方向に持っていかないよう、日々の学習に丁寧に取り組み、謙虚さと感謝の気持ちを忘れず、前進していってほしいと思います。