藤井四段から学ぶこと
2017.07.11杉浦コラム「fifty-fifty」
藤井聡太四段、ついに前人未踏の29連勝おめでとうございます。将棋の世界はくわしくはありませんが、これだけ注目を浴びながら「結果を出し続けていること」に惜しみない賛辞を送りたいと思います。
棋士の人たちは対局中、時に体を前後に揺らしながら盤上を食い入るように見つめ、次の一手を考えに考えぬいています。何百、何千回という対局を経験しても、全く同じ場面で同じ一手が正解ということはない。その時、初めて出会う局面で勝利につながる最良の一手を導き出すのです。
入試でも、何百、何千問解いて準備したところでその中から全く同じ問題が出ることはそうそうないでしょう。初めて見る問題に対していかに自分の知識を使って、活路を見いだせるか。「知らないから、見たことないからできません」では入試では勝てません。わからないからこそ考える、その姿勢は受験のみならず、みなさんの「生きる力」につながっていくのではないでしょうか。将棋に限らず、大人になってみなさんがどんな世界に身を置くにしても、言われたことしかできない、経験の中でしか物事を考えられない人は一流にはなれないのだと思います。
テスト中、みなさんが下だけを見て問題に取り組む姿勢は棋士と同じ。そして6年生はまもなく学習範囲がすべて修了し、テストも全範囲からの実践形式の問題に移っていきます。どんな問題が来ようと決してひるむことなく、頭脳をフル回転して戦える受験の「名人」になってください。