講師コラム

見守る

2013.07.15堀内コラム「堀内道場」

 (濡れるぞ~)そのときの私の心のつぶやきです。3歳くらいの男の子がひとりで手を洗おうと水道の蛇口から水を出し、服の袖をめくりあげていたときです。明らかにまくり上げた袖はひじより下にあったため、水で濡れてしまいそうな状況でした。しかし、私の友人は気づいていたけど何も言いませんでした。案の定、手は上手く洗えたけど、服の袖はびちゃびちゃに濡れてしまい、男の子は泣いてしまいました。私が「濡れるんじゃないかな~と思ったよ」と友人に言うと、「そうだね」と一言、さらに「前回は、上着全体がびちょびちょだったよ」と笑って続けました。そうです!前回は上着が濡れるまで、今回は袖が濡れるまで友人は見守っていたのです。
 これこそ「見守る」だと思いました。教育に携わる私よりも、その友人の方が教育を理解し実践していました。男の子はどれくらい水を出して、どれくらい服の袖をまくりあげれば良いかの適量をこれから身を持って理解していくはずです。

 我が家の息子たちがお世話になっている幼稚園の先生もそうだな~、と改めて思いました。親が止めてしまう線よりほんの少し先まで幼稚園の先生たちは見守ります。このギリギリが大切どと聞いたことがあります。だからこそ、子どもたちの「できないところ」ばかりを見るのではなく「できるところ」に目を向ける教育ができるのだと思います。子どもの失敗を見守って、何度もチャレンジさせてあげることを大切にしたいですね。

 とはいってもなかなか難しいですよね。ギリギリまで待てず、つい「危ない!」とか言ってしまい、よく子どもたちに「できたのに~」「わかっとったのに~」と私も言われてしまいます。